G+より第一弾~「給食のおばさんだった頃」
続編
G+より②「夕陽の射し込む昇降口で」~給食のおばさんだった頃
G+より③夫の呼び名
迫る2019年4月。Google+がなくなってしまうそうです。
一体なんだったのか分からないG+。大した盛り上がりも見られなかったG+。
そんなG+ちゃんですがほんと一瞬いっときだけ、秘密基地的にひっそり使っていた時期があります。
もうアクセス出来なくなってしまうのでそこで書いていたお気に入りの文章をこちらへお引越しさせる事にしました。
今から7年ほど前、私は給食のおばさんでした。その頃書いた文章です。
特にリライトせずにそのまま転載します。
2012.3.01
私の仕事は給食のおばさんです。
毎朝生徒達が走りまわる校内を歩いて、小さな給食室へ出勤しています。
大きなザルに山盛りになったじゃが芋や玉ねぎ。私が体育座りして右へ左へゆらゆら出来るくらいのザルです。
みんなが食べるカレーやご飯の出来上がる大きな釜が5つ。お前一人くらい余裕で煮込める大きさです。
木べらは私の背丈ほどもあり、泡だて器のカシャカシャする部分は私の顔くらい。
卵のパックは抱える程大きく、それが積み重なりタワーの様になっています。
毎日長ネギを延々と刻んだり、ごぼうと格闘したり、オレンジが水の中を泳いでいたりします。
キムチチャーハンの日は人殺してきたみたいに手や腹を真っ赤に染めて、みんなでキムチを刻んだりもします。
みんなでハンバーグを作るんです。揚げパンだったり、グラタンだったりもします。
一年生には小さいの。六年生には大きいの。ちゃんと分けて作っているんですよ。
4年3組はいっぱい食べるからカレーは多めに入れようかなんて、そんなことも考えています。
体育を終えた生徒がドアの向こうで手を振ったりします。ハンバーグを捏ねたグロい手でない時だけ手を振り返すことにしています。
パン屋さんから来るパンはいつもとてもいい匂いがして、それを食缶の中に並べます。
人数分、綺麗に収まった様子が可愛くて、私はこの作業が一番気に入っています。
生徒は小さい手のひらを握ったり開いたりして、謎の自慢をしてきたり、ただ話し掛けたかっただけのようなおかしな質問もしてきます。
廊下の壁には縄跳びをしている絵や、デブな猫の絵が飾ってあったり、似たりよったりの今月の目標が掲げてあったりします。
この仕事が好きです。とても好きです。
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